NEDO「微細藻類技術開発/微細藻類研究拠点における基盤技術開発」
本事業では、微細藻類バイオジェット燃料の生産およびCO₂排出削減・有効利用に関する技術開発の
効率化を目指し、「研究拠点の整備・運用」及び「標準化の推進」を行います。
研究拠点の整備・運用
微細藻類からバイオジェット燃料を製造する各種工程について、網羅的且つ高精度に技術検証が可能な屋内研究拠点を広島県大崎上島に建設し、運用を行います。当研究拠点には、微細藻類の培養システムとして、オープンレースウェイポンド、フラットパネル型フォトバイオリアクター(Photobioreactor, PBR)、チューブ型PBRの3種類を導入し、それぞれに光環境・水温制御システム等を導入することで世界各地の環境を模した条件下における培養試験を実現します。また、培養後の微細藻類の収穫や濃縮、乾燥の工程、バイオマスに含まれる成分の抽出や分析等に用いられる装置類もそれぞれ複数種類導入することで、微細藻類バイオジェット燃料の製造に関わる各種工程について複数のアプローチを用いた技術検証を可能とする研究拠点を整備します。
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研究拠点概要図
各種工程に対して複数のアプローチによる技術検証を可能とする研究拠点を整備
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培養
-パネル型PBR
-チューブ型PBR
-レースウェイポンド
※光・水温制御が可能 -
収穫/濃縮
-遠心分離機
-濾過分離機
-化学凝集設備 等 -
乾燥
-噴霧乾燥機
-凍結乾燥機
-風熱乾燥機
-天日乾燥設備 等 -
抽出
-溶接抽出装置
-超臨界流体抽出機 等 -
分析
-培地成分
-バイオマス成分
-脂質成分等の分析装置
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研究拠点建設地
大崎クールジェン株式会社について
「革新的低炭素石炭火力発電」の実現を目指し、中国電力株式会社と電源開発株式会社の共同出資により設立。酸素吹石炭ガス化複合発電技術、二酸化炭素分離回収技術および燃料電池技術に関する実証試験を実施する。
標準化の推進
整備した研究拠点を活用し、微細藻類バイオジェット燃料の生産に関わる、各種試験の手法や条件、評価基準等の標準化を実施します。主に文献調査やIMAT会員から提供いただいた情報等を基に試験方法や評価基準を定め、それらを用いて研究拠点で新たに取得した結果を“標準参照値”として蓄積していきます。IMATに蓄積されたこれらのデータは、微細藻類関連技術の発展並びに産業化のため、後述の技術委員会やWebサイトなどを通じて公開していく予定です。
微細藻類研究拠点における標準化の推進
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培養
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収穫/濃縮
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乾燥
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抽出
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分析
微細藻類を燃料化するまでの各種工程における試験方法や評価基準などを定め、実際に微細藻類研究拠点においてそれぞれの試験データを取得・蓄積し、それらを企業や大学、政府等に向けて発信します。
技術委員会
定期的に会員参加型の委員会を開催しています。技術委員会では、IMATが実施する事業の計画や得られた成果、産業構築に向けた各種取り組み等について意見交換や協議が行われます。微細藻類関連技術の発展や産業の創出に向けて、産官学の様々な団体からの参加者がそれぞれの視点から意見や知見を出し合い、それらをIMATが取りまとめていきます。
セミナーやワークショップ等イベントの開催
研究拠点の見学を含めたセミナーやワークショップなどを開催します。IMATの会員様にはこれらのイベントを会員同士の相互交流の場としても活用いただき、微細藻類の研究開発の更なる活性化を図ります。
情報の発信
Webサイトやニュースレター、学会、講演会等を通じて、IMATの活動や得られた成果に関する情報を積極的に発信していきます。